奥さんが通勤用に使っていた我が家のセカンドカーなのですが、購入から10年以上が経過し、傷みも目立ってきたので、買い換えることにしました。
新しい車も奥さんが通勤用に使うことになるので、奥さんが欲しい車を選べばよいのですが、車にほとんど興味のない奥さんは、車選びは私にお任せということでした。
なんとなく理不尽さを感じつつも、それなら平日は奥さんが通勤に使いつつ、休日は私も遊びに使えるような車ということでホンダのN-VANを購入することにしました。
ただN-VANは、他の軽バンに比べて高価です。
できるだけ多くの値引きをしてもらおうと、今回はいろいろ考えて販売店との商談を重ね、最終的には以下の金額で購入することができました。
内容 | 金額 |
車両本体 ※1 | 1,838,160円 |
諸経費 | 90,980円 |
オプション ※2 | 141,952円 |
小計 | 2,071,092円 |
値引き | ▲201,092円 |
最終支払額 ※3、4 | 1,870,000円 |
※1 +STYLE FUN・ターボ Honda SENSING、4WD/CVT、ナビ装着スペシャルパッケージ
※2 スタッドレスタイヤ、アルミホイール、オールシーズンマット、ドアバイザー、リモコンスターター、アンダーコート
※3 その他、ETCの旧車からの取り外しと取り付け(セットアップ含む)、別途購入した社外ナビ、ドライブレコーダーの取り付けは無料で実施
※4 旧車は、別途中古車販売店へ五万円で売却
目標値引額は10万円と言われているN-VANですが、今回は倍以上の値引きを引き出した方法について書きたいと思いますので、N-VANの購入を考えられている方は、参考にしてもらえればと思います。
最初は三万円の値引きしか提示されず
N-VANの発売開始は2018年7月だったのですが、予想以上に反響があったようです。
発売当初は納車まで5か月待ちだったそうですが、私が実際に商談していた頃には、納期は少し早まっていました。
それでも多くの注文を抱えていて、納車まで4か月待ちということでした。
そんな人気車なので、当然ながら値引きはほとんどしてくれません。
実際、一番最初に訪れた販売店で作ってもらった見積書では、値引額はたったの三万円でした。
そして、この地域にある他の販売店との取り決めで、三万円以上の値引きは行わないルールになっていて、これ以上の値引きはできないと営業マンから告げられたのでした。
発売して間もない車だったので、ある程度予想はしていましたが、想像以上に厳しいことを知って、戦略的に商談を進めることにしたのでした。
最初にやったのは他メーカーの車と競合させること
購入する側は一万円でも安く購入したいものですが、販売する側は一万円でも高く販売したいと考えています。
したがって何の戦略もなしにディーラーに行って、値引きしてほしいといっても、満足する値引額を引き出すことはできません。
そこで別の販売店に行き、他メーカーの車と競合させることにしました。
具体的には、値引率が大きいスズキのエブリイワゴンと迷っていることを営業マンに伝え、商談を進めることにしました。
実際に初期段階では、エブリイワゴンも検討対象ではあったのですが、試乗してみて、検討対象から外れていました。
でもそんなことは営業マンには伝えず、エブリイワゴンの値引額が20万円であったことを伝え、これに近い値引きをお願いしてみたところ、値引額を10万円まで増額させることに成功したのでした。
次にやったのは、正規ディーラー同士を競合させること
他メーカーの車と競合させることによって、値引額を10万円まで増額させることに成功したのですが、もっと値引額を引き出したい私が次にやったのは、地域にある正規ディーラー複数社から見積を入手することでした。
夫婦が住んでいる地域には正規ディーラーが四社あり、それぞれの会社がしのぎを削っています。
正規ディーラーは「ホンダカーズ〇〇 △△店」と名付けられているのですが、このうち○○の部分が異なると法人が異なり、互いに競合する関係となります。
したがって、競合関係にある近隣の正規ディーラー四社は、すべて回って見積を入手するようにしました。
なお同じ法人内の店舗間では競合はしてくれません。
また商談記録は同一法人内なら店舗間で共有されていますので、同じ法人の別店舗に行っても、時間の無駄になるだけなので、注意が必要です。
また前述したように地域の正規ディーラー間では、三万円以上の値引きを行わないという紳士協定が結ばれているようですが、車を売りたい営業マンほど、そんな協定は守りません。
あの手この手で値引きを提示してきます。
具体的には車両価格からの値引きは三万円としながら、旧車の下取り価格を上乗せたり、オプションの値引きを増額させたりして、値引きを提示していきます。
こちら側も混乱しないようにするために、各販売店の営業マンの提示した値引額をきちんと整理して比較する必要があります。
私は、オプションなどの条件は統一して商談を進めるようにして、最終的な支払金額をベースに各販売店を比較するようにしました。
また営業マンによっては、見積書を他の販売店に見せることを警戒して、口頭でしか値引額を提示してくれない営業マンもいました。
できれば商談内容を反映した見積書を入手しておいた方が、他の販売店での商談が進めやすいので、交渉内容は見積書に反映してもらうようにした方が良いのですが、見積書がなくても大丈夫です。
私の場合は、「○○では△△万円値引くと言ってくれている」というように、口頭で金額を伝えるだけで信用されたので、営業マンの想定内の金額であれば、必ずしも見積書が必要なわけではありません。
このようにして地域内の正規ディーラー間で競合させることによって、値引額は13万円まで増額させることができました。
初期段階で他の正規ディーラーと競合させる場合は要注意
初めての商談の時は、車の説明を受けたり、試乗したりしていると、あっという間に時間が経つものです。
でも二店目以降は、同じ話を聞いても仕方ないので、車の説明や試乗は他の正規ディーラーで済ませているので、価格の話からしたい旨を伝えたのですが、これは失敗でした。
これを聞いた営業マンは、「では他のディーラーを回った後に、最後にうちに来てください。その中で最も安い価格を提示しますから」と言い、こちらが聞き出したかった他の販売店での交渉材料となる具体的な値引き額を提示してもらえなくなってしまいました。
考えてみれば、このような客に安易に値引金額を提示すれば、際限のない値引競争に巻き込まれることになるので、それを避けるための営業マンの常とう手段だと思います。
でも営業マンにこう言われてしまうと、他の販売店での交渉材料がなくなってしまうので、時間が掛かっても、商談の初期段階では、他の販売店と競合させることは避けた方が無難です。
旧車の下取価格でも意外と差がつく?!
今回下取りに出した我が家のセカンドカーは、状態が悪く正規ディーラーでの買取価格は一万円と言われました。
これは廃車が前提で、重量税や自賠責保険の残期間分の払戻相当額ということで、車自体の価値はゼロということでした。
地域にある正規ディーラー四社で同じ評価だったため、妥当な評価だったと思います。
また大手中古車販売店であるガリバーでも査定してもらったのですが、やはり価格がつかず、買取はできないという結果でした。
ところがダメもとで飛び込んだ町の中古車販売店では、五万円の価格がつきました。
正規ディーラーや大手中古車販売店の販売ルートだと、ある程度以上の販売価格にならないと商売にならないことから、状態の悪い車だと価格がつかないこともあるようです。
ところが町の中古車販売店なら、一万円でも利益が見込めるなら買取を行ってくれることから、このような差になったのだと思います。
新車で四万円分値引きを増額してもらうことは、簡単なことではありません。
しかしながら下取車を適正に評価してもらえるように複数の中古車販売店を回ることは簡単なことなので、いろいろな中古車販売店に車の査定をお願いしてみるのも、一つの方法だと思います。
サブディーラーと競合させる場合も要注意
地域で新車を販売しているのは正規ディーラーだけではありません。
町の自動車修理店が各社メーカーの新車販売も手掛けている場合があり、これらから新車を購入することも可能です。
これら町の「○○自動車」は一般的にはサブディーラーと言われ、正規ディーラーとは区別されています。
このサブディーラーから見積を入手すると、正規ディーラーより値引き額が大きい場合がしばしばあります。
でもサブディーラーと競合させる場合は、注意が必要です。
なぜならば、サブディーラーは正規ディーラーから車を仕入れて販売しているからです。
したがって、もし競合させようとしたサブディーラーがその正規ディーラーから車を仕入れている場合は、正規ディーラーは競合するのをやめて、サブディーラーから購入することを勧めるようになり、以後の商談には一切応じてくれなくなってしまいます。
したがってサブディーラーと競合させる場合は、商談している正規ディーラーと取引がないか、確認することが必要です。
ところが実際に確認することは困難なので、サブディーラーとは競合させないほうが無難だと思います。
ただし例外があります。
サブディーラーでも県外の正規ディーラーから車を仕入れているサブディーラーがあるので、これらのサブディーラーなら正規ディーラーの競合になりえます。
夫婦が住んでいる地域にも「カーベル」や「オニキス」、「ジョイカル」といった首都圏の競争が激しく値引き額が大きい正規ディーラーから車を仕入れるサブディーラーがあるので、これらの見積もりも入手して、正規ディーラーと競合させました。
正規ディーラー間での競合では、13万円程度の値引きで頭打ちだったのですが、これらのサブディーラーとも競合させることによって、値引額は一気に19万円程度まで増額させることに成功しました。
そしてここまで正規ディーラー三社と商談を進めていたのですが、これ以降はこの段階で最も値引額が大きかった一社に絞って商談を進めることにしました。
サブディーラーで購入した車のアフターサービス
正規ディーラーから車を購入することのメリットは、安心感だと思います。
実際の整備等の技量に大きな差はないとも思いますが、とにかくこの安心感が欲しいという方は、サブディーラーで車を購入した場合でも、整備等は正規ディーラーへ持ち込めば、良いと思います。
他社で買った車だからという理由で、持ち込みが拒否されることはありません。
また正規ディーラーでは、整備等も大きな収益源なので、サブディーラーで購入した車でも、喜んで整備等してもらえますので、安心して持ち込めばよいと思います。
商談の最終段階は、ダメ押しのチャンスです
サブディーラーと競合させることによって、19万円程度まで値引額を増額させることに成功したのですが、商談はこれで終わりではありません。
商談の最終段階だからこそ、聞いてもらえる「わがまま」もあるので、臆せずこちらの希望はすべて伝えるようにしました。
「次回は、ハンコを持っていくので、最後に詳細な条件を詰めたい」と営業マンに伝え、最後の商談に挑みました。
営業マンからすると、ここまでくれば、あと少しなので、大抵のことは譲歩してくれます。
私は、この段階で社外ナビやドライブレコーダー、ETCの旧車からの取り外しや取付作業を無料で行うようにお願いしました。
これらの作業を別途依頼すると五万円くらい工賃を取られるものですが、新車購入時なら、これらの作業も無料で行ってもらえることがほとんどです。
したがって、社外ナビなどを購入する予定の方は、注文書にハンコを押す前に忘れずに、交渉するようにしてください。
そして最後にダメもとで一万円の値引きの増額を要求しました。
営業マンからすると、最終段階での値引きの増額要請は、底が見えなくなるため、嫌なものだと思います。
でもここまで商談を進めてきた客を逃すのは、もっと嫌なものなので、最終的には一万円の値引増額は受け入れられ、上述のとおり総額20万円を超える値引きを受けることができました。
営業マンに売りたいと思わせることが最も重要なこと
営業マンは店長や会社からのプレッシャーを強く受けながら、私たちと商談しています。
したがって無茶な話を持ち掛けて、「このお客さんは面倒だ」と思われてしまうと、営業マンは売る気をなくし、大きな値引きを引き出すことは難しくなります。
一方で、この一台だけではなく長い付き合いになりそうなお客さんの場合だと、営業マンはやる気を出して、店長や会社を説得して大きな値引きを提示してくるものです。
したがって、今回の新車購入では、営業マンにとって良いお客さんであることに徹して、商談を進めるようにして、上記の値引きを得ることに成功しました。
結局、大きな値引きを得るためには、営業マンに売りたいと思わせることが最も重要なことだと思います。
相性もあると思うので、すべての営業マンに売りたいと思わせることは難しいと思いますが、こちら側の要望ばかり伝えるのではなく、しっかり営業マンの話を聞くようにしながら、商談を進めていくことによって、希望する金額で新車を購入することが可能だと思います。
思い通りの金額で新車を購入したい人は、時間を惜しまず、しっかり営業マンと向き合うようにして商談を進めるようにしてください。
最後に
このように商談を進めて目標額を大幅に超える値引きが実現したN-VANですが、間もなく納車される予定です。
平日は奥さんの通勤で使うことになりますが、休日にはこれで車中泊旅行に出かけたいと思います。
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